西暦 |
主な出来事 |
解説 |
1905
|
@特殊相対性理論の提唱
(アインシュタイン)
A恒星の分類
(ヘルツシュプルング ) |
@相対性理論には光速近くで運動する物体の理論「特殊相
対性理論」と重力を表す新しい理論「一般相対性理論」が
ある。
特殊相対性理論は「相対性原理」と「光速度不変の原理」の
二つの原理からなっている。 |
1908
|
@セファイドの変更周期と光度の
関係を発見
(リービット)
Aウィルソン山天文台に60インチ
反射望遠鏡を設置 |
@変光星の一種で、周期1〜135日で明るさが変化する。
変光の幅は青色の波長域で1等級前後。
ケフェウス座デルタ星に代表されるため、「セファイド」
と名づけられた。星自体が膨張と収縮を繰り返すのが、
変光の原因と考えられている。後にセファイドでは、変更
周期から絶対等級(実際の明るさ)が求められる事が明らか
になった。
絶対等級と見かけの等級を比較すれば、星までの距離が
計算できる。こうして遠くの銀河や球状星団の距離も、
そこに含まれるセファイドを使って計算できるように
なった。 |
1913
|
@HR図を発表
(ラッセル)
A小マゼラン雲の距離を決定
(ヘルツシュプルング ) |
@ 恒星のスペクトル型と実際の明るさの関係を示す。 |
1916 |
一般相対性理論を発表
( アインシュタイン) |
重力理論。重力は時間と空間(時空)の曲がりである事を
重力場の方程式であらわしている。つまり、時空が巨大な
重力(質量)によってゆがめられる事を 説明している。
一般相対性理論を宇宙そのものに適用すると、膨張や収縮
をする解が得られる。しかしアインシュタインは、宇宙は
時間的に変化しないと考えた。そこで「宇宙項」を加えて、
「静的宇宙」の解が得られるように方程式を修正した。後
に、ハッブルが膨張宇宙の証拠を発見し、「宇宙項の導入は
失敗であった」とアインシュタインに言わしめた。 |
1917 |
ウィルソン山天文台に100インチ反
射望遠鏡を設置 |
アメリカのカリフォルニア州にある。20世紀前半には、
技術の進歩によって巨大な反射望遠鏡が造られるように
なった。ハッブルは、この望遠鏡を使って銀河の中の
セファイドと呼ばれる変光星を観測し、その実際の明るさ
を調べて銀河までの距離を求めた。その結果、1929年に
遠い銀河ほど早く遠ざかっている事を見いだした。
これは、宇宙が膨張しているからに他ならない。 |
1920 |
銀河大論争
(シャプレー対カーチス) |
アンドロメダ星雲が銀河の中の星雲なのか、銀河系の外に
ある別の銀河なのかをめぐる、有名な大論争。
アンドロメダ星雲が銀河系と同等の規模を持つ別の銀河
である事を認めざるを得なくなった時、自分達の世界は
宇宙の中心にあるという人類の古い宇宙観は、精密な観測
結果によって修正を迫られる事になった。 |
1922 |
膨張宇宙モデルを提唱
(フリードマン、ルメートル、他) |
|
1924
|
恒星の質量と光度の関係を確立
(エディントン) |
|
1927 |
銀河系の構造と回転を解明
(オールト) |
|
1929 |
銀河系の後退速度と距離の関係を発
見(ハッブル) |
|
1930 |
冥王星の発見(トンボー) |
|
1931 |
宇宙電波の観測(ジャンスキー) |
|
1938 |
星のエネルギー源としての核融合反
応を発見(ベーテ) |
|
1944 |
@恒星の種族の提唱(バーデ)
AV1ロケット発射の開始 |
@銀河系の中の恒星を化学組成から「種族T・種族U」に
分類したもの。種族Tの星は、主として銀河円盤に分布し
ている。その典型的な星は青白く輝く若い星である。太陽
は種族Tの星であるが、その中では比較的年をとってい
る。(約46億年)
種族Uの星は、主として銀河円盤の周りのハローや中心部
のバルジに分布している。その典型的な星は赤い色の
年取った星で、年齢は100億年以上に達している。
種族Uの星は、銀河系が形成された頃に生まれた。
その中の重い星は早く一生を終え、大爆発を起こして質量
の大部分を吹き飛ばした。これらの星が作り出した炭素、
酸素、鉄などの重い元素も一緒に噴出し、銀河円盤面に
降り積もった。ここで生まれたのが種族Tの星で、重元素
が多く含まれている。
A6月13日にドイツで、兵器として使われる。 |
1946〜
1948 |
ビッグバン理論の提唱
(ガモフ) |
宇宙誕生直後の急激な膨張(インフレーション)に
よってできた超高温の宇宙。「ビッグバン」は、もともと
は爆発的な膨張を表すが、1940年代後半に提唱されたビ
ッグバン理論では、宇宙誕生直後の無限大のエネルギーや
急激な膨張の起源を説明できなかった。
インフレーション宇宙論(1981年)や量子論によって、
この問題が説明された。 現在では、宇宙誕生直後にイン
フレーションが起こり、真空の相移転によって莫大なエネ
ルギーが開放され、宇宙は光に満たされた。
これがビッグバン宇宙であると考えられる。 |
1948 |
パロマー山天文台に200インチ反射
望遠鏡を設置 |
|
1951 |
@21センチ波を検出
(エウエン、パーセル)
A銀河系外電波を検出
(ブラウン、ハザード) |
@宇宙に存在する元素の基本となる水素原子が放つ波長。
この発見で、星間に漂うガスの分布や運動が系統的に調べ
られ、銀河系の全体像が浮かび上がってきた。 |
1957 |
@初の人工衛星スプートニク1号打
ち上げ
A世界最大の電波望遠鏡の完成
|
@旧ソ連が打ち上げた世界初の人工衛星は、直径58cmの
球形をしていた。
Aイギリスのジョトレルバンク天文台に完成。
スプートニク1号の追跡を始める。 |
1958 |
NASA発足(アメリカ) |
|
1959 |
@ルナ1号の打ち上げ
Aルナー2号が月面に到着
B月ロケット(旧ソ連)第3号の打
ち上げ |
@旧ソ連、月ロケット。月をかすめて人類初の「人工惑星
メチタ」となった。後にルナ1号と改名され、
地球の軌道のほぼ外側から火星の軌道の内側を回って
いる。公転周期は450日で、今度地球と接近するのは
2113年。
A旧ソ連、無人探査機。
B人類が見た事の無い月の裏側の撮影に成功し、
地球へ電送する。 |
1960
年代 |
電波干渉計技術を確立
(ライル) |
波の干渉という性質を利用した電波干渉計の技術が確立
され、電波天文学が本格的に進展した。
干渉技術の進展は、銀河系内の電波源の詳細な観測や、
銀河系以外の銀河の電波観測を促した。短い周期で電波を
断続的に放射しているパルサーなどの全く新しい天体の
発見が相次いだ。 |
1960 |
初の気象衛星の打ち上げ |
アメリカ。 |
1961 |
有人宇宙船ボストーク1号打ち上げ |
旧ソ連、ユーリー・ガガーリンが世界で初めて宇宙を飛ん
だ人間になった。「地球は青かった」と無線で報告。ガガ
ーリンの飛行は108分地球を一周して地上に帰還した。 |
1961〜
1963 |
クェーサーの発見
(サンデイジ、マシューズ、シュミ
ット) |
銀河の数千倍のエネルギーを放つ遠方の天体。恒星のよう
に見え電波を放射していた事から、準恒星天体あるいは、
準恒星状電波源と名づけられ、のちに略して「クェーサ
ー」と呼ばれるようになった。
クェーサーの母体は銀河で、中心核から莫大なエネルギー
がジェットとして放出されている。エネルギー源はブラッ
クホールである可能性が高い。中心に巨大なブラックホー
ルがあって、そこに物質が吸い込まれる時に重力エネルギ
ーが放出されるというのである。クェーサーは形成途中の
若い銀河という考えもある。 |
1962 |
@X線星の発見(ジァッコーニ、 ガ
ースキー、パリオーニ他)
A通信衛星テルスターの打ち上げ
B金星ロケットマリナー2号が金星
に接近 |
Aアメリカ。米英間テレビ中継に成功する。
Bアメリカ。観測データを地球に送る。
|
1963 |
初の日米間、テレビ宇宙中継実験の
成功 |
「ケネディ大統領暗殺」のニュースを伝える。 |
1964 |
火星探査機マリナー4号の打ち上げ
(アメリカ) |
翌年7月に火星上空9850kmを通過し、22枚の初めての
火星表面クローズアップ写真を撮影した。 |
1965 |
@3K宇宙背景放射の発見
(ペンジアス、ウィルソン)
A人類初の宇宙遊泳
B火星探査機ゾンド3号の打ち上げ
(旧ソ連)
C金星探査船ビーナス3号の打ち上
げ
|
@宇宙の始まりを解明するビッグバン宇宙論は、宇宙背景
放射が発見されて、観測的な証拠を得た。超高温のビッグ
バン宇宙では、物質はプラズマ状態で、光は直進できず
不透明だった。やがて膨張と共に宇宙の温度は絶対温度約
3000Kに下がり、電子と原子核が結びつき原子が出来た。
光は直進できるようになり宇宙は晴れ上がった。
この時の3000Kの宇宙の光の放射が宇宙膨張によって
引き伸ばされて、現在では数Kのマイクロ波として全天か
ら一様に降り注いでいるはずだ、とビッグバン宇宙論は
予言していた。この宇宙放射を実際に発見したのである。
A旧ソ連のウォスホート2号のレオノーフ飛行士。
B月の裏側を撮影後、火星の軌道を通過し通信テストに
成功。
C旧ソ連。次の年(1966)、金星に命中する。 |
1965〜
1969 |
宇宙赤外線の観測
(レイトン、ノイゲバウアー) |
|
1966 |
@無人月探査機ルナ9号の打ち上げ
Aサーベイヤー1号が月面に軟着陸
|
@旧ソ連。同年2月、月面着陸に成功。
Aアメリカ。 |
1967 |
@パルサーの発見
(ヒューウィッシュ)
A金星4号が金星に軟着陸(旧ソ連)
|
@短い周期(0.002〜5秒)で電波を断続して放射している
天体。電波の断続信号(パルス)のようなものを出すとい
う意味で「パルサー」と呼ばれる。パルサーの正体は、
強い磁場を持った「中性子星」だと考えられている。
中性子星は、原子核エネルギーを使い果たした重い星の
中心核が、直径10キロ程に収縮してできた超高密度の星
である。パルサーは自転につれて電磁波ビームがサーチラ
イトのように地球を照らすので、一定間隔の信号を出す
天体として観測される。 |
1968 |
@多数の星間分子を発見
A日本初のロケット打ち上げに成功
Bアポロ8号が有人月周回飛行を行
う |
@恒星と恒星の間に存在する極、希薄な物質。星をつくる
材料となるガスと固体のちり粒子(宇宙塵)からなる。
ガスの化学組成(重量比)は水素73%、ヘリウム25%と、
二つが圧倒的に多い。その他の元素としては酸素、炭素、
窒素、ネオン、マグネシウム、ケイ素、硫黄、鉄などが存在
する。水素とヘリウム以外の元素を「重い元素」とか
「重元素」と呼んでいる。
A種子島宇宙センターから打ち上げる。 |
1969 |
@初の宇宙ステーションの建設
A火星探査機マリナー6号打ち上げ
(アメリカ)
B火星探査機マリナー7号打ち上げ
(アメリカ)
C惑星ステーション金星5号が金星
に到着(旧ソ連)
D惑星ステーション金星6号が金星
に到着(旧ソ連)
Eアポロ11号で人類が月に初到着
F宇宙船ルナ15号が月面に着陸
(旧ソ連) |
@旧ソ連。有人宇宙船ソユーズ4号を打ち上げる。
A火星上空を通過して75枚の写真送信を行なった。
B火星上空を通過して126 枚の写真送信を行なった。
E1969年7月20日、月面に到着した。初めて月に足を踏
み入れたアポロ11号宇宙船のアームストロング船長は
「この一歩は小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩
である」と交信してきた。アポロ11号の着陸と同時に、
月面にはアメリカ国旗が立てられた。人類が初めて月面に
残した足跡は、少なくとも数百万年間は消えないだろう。 |
1970 |
@初のX線天文衛星ウルフ打ち上げ
A人工衛星「おおすみ」の打ち上げ
B金星探査機ベネラ7号の打ち上げ
Cルナ17号が月面軟着陸 |
A日本初の人工衛星。
(宇宙科学研究所)
B旧ソ連。同年12月、金星に軟着陸する。
C旧ソ連。 |
1970
年代 |
@VLBL(超長基線電波干渉法)技術
の開発
Aダークマターの存在を示唆 |
A宇宙に存在していると考えられるが、電磁波を放射して
いないため見えない物質。「暗黒物質」ともいう。その正
体は分かっていない。銀河の中の恒星の動きや、銀河団の
中の銀河の動きを調べると、その動きにつりあうための重
力を生じるには、観測される天体だけでは不足する事が分
かる。つまり、目に見えない大量の物質が存在し、その重力
を受けているように見える。この現象が初めて指摘された
のは1930年代の事であるが、その後の研究によって、
宇宙の90%以上はダークマターでできているのではない
かといわれるようになった。 |
1971 |
@アポロ14号が月面に軟着陸
Aマルス3号打ち上げ
Bアポロ15号の乗組員が月面を走行
C火星探査機マリーナ9号が火星の周回軌道に到達 |
@アメリカ。初のカラーテレビ中継を行う。
A旧ソ連。着陸船が火星面に軟着陸して、110 秒間作動。
写真および科学探査の結果は得られなかった。
BD RスコットとJ Bアーウィンが月面車で走行する。
Cアメリカ。火星の衛星軌道に乗り698 回の周回を記録、
火星面と
衛星フォボス、ダイモスの写真など7329枚を撮影した。
|
1972
|
パイオニア10号打ち上げ |
アメリカの惑星探査機。
68光年先の牡牛座のアルデバラン星を目指して飛行し
続けている。
目的の星までは、約200万年かかる。この機体には、人間男
女と太陽系の中の太陽と地球の位置を描いたプラークが
取り付けられている。1997年、太陽圏(ヘリオスフェア)
の末端領域に向かう。 |
1973〜
1974 |
宇宙実験室スカイラブが太陽を初調
査 |
|
1973 |
@ガンマ線バーストを発見
(クレバサデル)
Aパイオニア11号打ち上げ
Bマルス6号 打ち上げ
C惑星探査機パイオニア10号が木
星に接近
|
@高エネルギーガンマ線が短時間光って見える現象。
ガンマ線のエネルギー領域は極めて広く、可視光(光)の10
万〜1兆倍にわたる。ガンマ線バーストは宇宙のいたると
ころで頻繁に起きているが、その発生場所や発生機構は
分かっていない。最初に発見されたのは1960年代で、
今日まで天文学上の謎の一つとして残されている。
Aパイオニア10号に続く、惑星探査機。射手座方面を目指
して飛行し続けている。到達には、約400万年かかる。
1995年9月には、地球から65億qの距離にあり、
10号と同じく、太陽圏の末端領域に向かう。
B旧ソ連の火星着陸ミッション。
翌年(1974)、着陸の数秒前に探査機からの無線通信が
途絶。
Cアメリカ。木星写真を電送する。 |
1974 |
水星探査機が水星に接近 |
アメリカ。水星表面から720qまで接近する。 |
1975 |
ベネラ9号、10号が金星に着陸 |
旧ソ連。同年10月、金星地表の写真撮影に成功する。
9号は地表で53分間活動し、10号の方は65分間活動。 |
1976 |
バイキング1号、2号が火星に軟着陸
(アメリカ火星探査機) |
バイキング1号着陸船は7月20日にクリュセ平原に着陸
した。 軌道周回船は1980年7月4日まで、着陸船は
1982年11月までに作動し、着陸船が撮影した火星面の
写真は2450枚にのぼった。 地質、気象をはじめ生命反応
を調べる化学実験なども行われた。
バイキング2号着陸船は9月3日にユートピア平原に着陸
した。 軌道周回船は1978年7月24日まで、着陸船は
1980年3月まで作動し、着陸船が撮影した火星面の写真
は2170枚にのぼった。
1号と2号の軌道周回船、着陸船から送信された写真は計
5万1500枚。 またバイキング計画では、地質や気象をは
じめ生命反応を調べる化学実験など多角的、本格的な火星
観測が行なわれた。 |
1977 |
ボイジャー1号、2号打ち上げ |
NASAの惑星探査機。
「金のレコード」のメッセージが搭載されている。
このメッセージは地球の生活、文化の相違を表すために
選択された音や、イメージでありレコードは12インチで
金メッキされた、銅ディスクである。55の言語の地球の
人々の挨拶言葉や、音楽、当時のカーター大統領の言葉や、
国連事務総長からのメッセージも入っている。
もちろんプレーヤーも装備されている。 |
1979 |
ボイジャー1号、木星に接近 |
|
1980 |
ボイジャー1号、土星に接近 |
|
1981 |
@インフレーション理論の提唱
(佐藤勝彦、グース)
A科学衛星「ひのとり」の打ち上げ
Bスペースシャトル「コロンビア」
の帰還
|
@宇宙誕生の直後に急激な膨張「インフレーション」が
起きたとする理論。誕生直後の宇宙は、高い真空のエネル
ギーを持っていた。このエネルギーは、アインシュタイン
が重力方程式に加えた宇宙項と同じ様に、空間を急膨張
させる。これがインフレーションである。インフレーショ
ンによって宇宙の温度があるところまで下がると、高い
エネルギーの真空がエネルギーの低い新しい真空へと
相移転する。水が氷に変る相移転と同じ様に、宇宙の相移
転でも、新しい真空と古い真空のエネルギーの差が熱と
して解放される。この熱い宇宙が「ビッグバン」である。
インフレーション理論は、現在の宇宙の温度がどこでも
ほぼ同じで、何故平坦なのかを説明してくれる。
原初の宇宙に凹凸があったとしてもその一部分の平坦な
ところが急膨張によって伸ばされ、それが我々の宇宙に
なったというのである。
A太陽のフレア現象を観測する。
(宇宙科学研究所)
B地球36周の処女飛行をする。 |
1982 |
@ベネラ13号、14号が金星に着陸
Aサリュート7で宇宙滞在新記録 |
@旧ソ連。同年3月、写真撮影に成功。13号の方は地表で
2時間7分活動し、14号の方は1時間活動。
A旧ソ連の宇宙飛行士2人が宇宙滞在211日の新記録を
達成し、地球に帰還する。 |
1983 |
@赤外線天文衛星IRAS打ち上げ
Aパイオニア10号が海王星の軌道
を通過 |
Aアメリカの惑星探査機。太陽系を脱出する。 |
1985 |
@ハレー彗星探査機「さきがけ」の打ち上げ
A科学衛星「すいせい」の打ち上げ |
@日本初の人工惑星となる。地球の公転軌道の内側から
少し外側を回る。
ハレー彗星に接近し、データを地球へ送信する。
(宇宙科学研究所)
A「さきがけ」に続くハレー探査機。
他に、アメリカのアイスや旧ソ連のベガ(1号、2号)や、
ヨーロッパのジオット探査機と共にハレー彗星を観測
する。「さきがけ」を入れたこれら6機は「ハレー艦隊」
と言われた。 |
1986 |
@ハレー彗星の核の観測
(ジオット探査機)
Aボイジャー2号天王星に接近
Bミールの打ち上げに成功 |
Aアメリカ。天王星の新たな衛星やリング55本などの
発見をする。
B旧ソ連の大規模な無人科学ステーション。 |
1987 |
@超新星1987Aからのニュートリ
ノを検出
(カミオカンデ・グループ)
Aミールで宇宙滞在の新記録
|
@軽い素粒子の一種で、電荷を持たない。電子ニュートリ
ノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの3種がある。
ニュートリノは他の粒子と反応する力が非常に弱く、検出
するのが難しい。恒星は核融反応によって輝く。この反応
に伴って、大量の電子ニュートリノが放出される。
そして、これまで質量を持たないと考えられていたニュー
トリノが質量を持っているとする観測結果を日本の研究
グループが発表した。(1998の項を参照)
A旧ソ連のユーリ・ロマネンコ飛行士が宇宙滞在326日
の新記録を達成し、地球に帰還する。 |
1989 |
@ボイジャー2号、海王星に接近
A宇宙の大規模構造の発見
(ゲラー、ハクラ他)
|
@アメリカの無人探査機。後に太陽系外に出る。
A銀河団よりも大きな集団体系を「超銀河団」という。
複数の銀河群や銀河団からなり、その大きさは1億年以上
となる。銀河系から距離約1億光年以内にある銀河は、
おとめ座銀河団を中心にして「局部超銀河団」を構成し
ている。この他の超銀河団としては、かみのけ-A1367、
うお-ペルセウス、うみへび-ケンタウルスなどが知られて
いる。
宇宙には、1億光年以上に渡って銀河がほとんど無い空洞
のような領域がある。この空間を「ボイド」という。
超銀河団は板状になって、ボイドを囲むように分布してい
る。その様子は無数の泡が連なったようで、超銀河団と
ボイドがつくる構造が宇宙のいたるところに存在すると
考えられる。これが「宇宙の大規模構造」である。 |
1990 |
@金星探査機マゼラン、金星に接近
(アメリカ)
Aハッブル宇宙望遠鏡を地球周回軌
道に投入
B工学実験衛星「ひてん」打ち上げ
(日本) |
A高度600キロの宇宙空間から観測を続けるNASAの
ハッブル宇宙望遠鏡。大気の揺らぎの影響を受けないの
で、シャープな像が得られる。
Bひてん(MUSES-A)は月のスウィングバイ技術の
実験機であり、月に接近する機会をとらえて、小さな孫衛
星「はごろも」を月周回軌道に投入。1993年4月11日、
月面に衝突させた。(宇宙科学研究所) |
1992 |
@宇宙背景放射の温度揺らぎを観測
(COBE衛星チーム)
Aエッジワース・カイパーベルト天
体の発見 |
@宇宙全体を一様に満たしている放射をいう。1965年
に、アルノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンによって
電波放射として発見された。(1965の項を参照)
その後観測された宇宙背景放射は、どの方向でも均一で
あった。ところが、銀河や銀河団といった宇宙の構造を
つくるには、初期に揺らぎがなければならない。1990年
代になって、探査衛星COBE(NASA)が10万分の1程度と
いうわずかな温度の揺らぎを発見し、構造形成理論に
大きな手がかりを与えた。
A彗星が密に分布するドーナツ状の領域。黄道面に沿って
太陽から数十〜数千天文単位(1天文単位=太陽から地球の平均
距離で約1億4960万Km)にあり、10億個の彗星が存在する
とみられている。
彗星の起源については確定した説は無いが、太陽系形成の
初期に、外惑星領域から冥王星軌道を遥かに越えた広大な
領域で生まれたと考えられる。この広大な領域の比較的内
側の部分を「カイパーベルト」もしくは「エッジワース・
カイパーベルト」という。
カイパーベルトは、太陽から数万天文単位の所にある彗星
の巣「オールト雲」に連なっている可能性もある。オールト
雲には、数十億個の彗星が存在すると考えられている。 |
1993 |
@10メートル分割望遠鏡ケック1号
完成
A惑星探査機ガリレオが小惑星を撮
影 |
ANASAが火星と木星の間にある小惑星アイダの観測と
写真撮影に成功したと発表する。 |
1994 |
@シューメーカー・レビー第9彗星
が木星に衝突
Aブラックホールの発見
Bオリオン星雲の太陽系の卵を発見 |
@1000年に1度といわれる大イベント。20個以上の彗星
が木星に衝突した。中には巨大なきのこ雲も上がったもの
もあった。
ANASAがハッブル宇宙望遠鏡による観測でM87銀河に
ブラックホールが存在する証拠を発見したと発表する。
BNASAのハッブル宇宙望遠鏡がオリオン星雲に太陽系
の卵ともいうべき50個以上の円盤のチリ雲を発見する。
|
1995 |
@太陽系外の惑星候補天体を間接的
に発見
Aミールで宇宙滞在新記録
B探査機ユリシーズが太陽に到達
C木星探査機ガリレオが木星に到達 |
Aロシアの宇宙飛行士が宇宙滞在438日18時間の世界新
記録を達成し、地球に帰還。
BNASAの太陽の両極を観測する探査機が太陽の北極側
の最高点に到達。
C1989年に打ち上げられたアメリカの探査機。
木星の大気圏に突入してデータを地球に送る。
翌年、NASAが木星の大気にはヘリウムが予想の半分しか
存在していなかったと観測結果を公表する。 |
1996 |
@木星衛星エウロパに水が存在する 可能性を発表(NASA)
A火星探査機マーズグローバルサー ベイヤーの打ち上げ(NASA)
B月に大量の水を発見
C小惑星探査機NEARの打ち上げ |
@木星探査機ガリレオが撮影した画像分析によりNASA
が発表する。翌年、写真分析で泥状態の水があり、この中に
生命が存在する可能性がある事を指摘する。
A翌年(1997)、火星周回の楕円軌道に入り、太陽同期軌道
から火星の詳細マッピングを計画。
B米国防総省が月探査機のレーダー観測により、月の南極
付近に大量の水が存在する事を発見する。
CNASA。小惑星エロスとのランデブーを目指した探査
機。NEAR(ニア)は、本格的に小惑星を目指す探査機として
初めて開発された。1997年以降に小惑星マチルダ、エロ
スなどの撮影に成功する。 |
1997 |
@電波観測衛星「はるか」打ち上げ
A木星衛星エウロパに泥状態の水を
発見
Bマーズ・パスファインダーが火星
に着陸
C火星探査機マーズグローバルサー
ベイヤーが火星の南北方向に回る極
軌道に入る |
@宇宙科学研究所。
BNASAの火星探査機が7月4日に火星のアレス峡谷に
着陸する。無人探査機の火星着陸はバイキング2号以来21
年ぶり。マーズ・パスファインダーに搭載された小型ロボ
ット探査車「ソジャーナ」の活動で火星の石などを分析
する。同年11月にバッテリー切れで交信途絶。
火星のアレス谷に起こった洪水は地中海を満たすのに
十分な量であったとの試算を、NASAのジェット推進研究
所が発表する。
エンジニアリング・ミッションとして100%の成功を収
めた。 |
1998〜
1999 |
@ニュートリノに質量が存在する証
拠を検出(スーパー・カミオカ ン
デグループ)
A「すばる」、VLT、ジェミニなどの
新世代望遠鏡がテスト観測を開始
|
@これまで質量を持たないと考えられていたニュートリ
ノが質量を持っているとする観測結果を日本の研究グル
ープが発表した。
重い星が進化の最後におこすU型超新星爆発では、膨大な
エネルギーが解放される。そのほとんどは、ニュートリノ
として放出される。1987年2月、大マゼラン雲で起きた超
新星爆発の時に発生したニュートリノが、日本で検出され
た。(1987の項を参照) |
1998 |
@月探査機打ち上げ(NASA)
A火星探査機「のぞみ」打ち上げ
B「おりひめ・ひこぼし」の宇宙ランデブーとドッキング
C火星探査機のぞみが月の裏側を撮影(日本)
D火星探査機ディープスペースの 打ち上げ(NASA)
E国際宇宙ステーションの機材の 初打ち上げ。
F火星探査機マーズ・ポーラーランダーの打ち上げ
G探査機スターダストの打ち上げ
|
@25年ぶりの月探査。
A「のぞみ」(PLANET -B)は、日本初の探査機で、
火星の大気や太陽風などの研究を目的とする。
2004年1月に火星到着予定。
火星周回軌道に乗る「のぞみ」は、その後約2年間にわた
って、火星磁場と太陽プラズマとの相互作用の観測や電波
を使った氷の探査、衛星フォボス・ダイモスの撮影などが
計画されている。(宇宙科学研究所)
B宇宙開発事業団(NASDA)による技術試験衛星。
7月7日、太平洋上空550キロの宇宙空間で2mの距離まで
切り離され、改めてドッキングする。
無人での宇宙ランデブーは世界初。
E世界16カ国が参加する。
(アメリカ、ロシア、日本、カナダ、ヨーロッパなど)
2006年に国際宇宙ステーションが完成する予定で高度
400kmの距離を周回する。
FNASA。水の存在を確認する計画。
GNASA。彗星の核を取り巻く塵を地球に持ち帰る計画。
|